Phasemation フェーズメーション PhaseTech フェーズテック
今回、2回目の訪問となりました。
昨年に1回、今年になって1回、なかなか歳と共に重たい腰が上がらずメーカー訪問のブログ掲載をようやく行わせて頂きます。
アナログオーディオでは老舗のメーカーさんということもあり、PCオーディオを主軸に扱う当店でもこのアナログオーディオの良さは良く理解しているつもりでございます。
「フェーズメーション」は元々海外向けのブランド名として展開をしており、現時点でデジタルオーディオ系の製品も「フェーズメーション」ブランドとして展開しているようです。
アナログカートリッジ、プリアンプ、パワーアンプなど、アナログオーディオの良さを最大限に発揮してくれる製品群もとても魅力です。
会社は、
共同電子エンジニアリング株式会社、となっておりオーディオメーカーを匂わせない雰囲気もまた知らない人にとっては不思議と感じるところかもしれません。創設者のオーディオ好きが功を奏して今の“フェーズメーション/フェーズテック”ブランドが確立されたという事は、私が述べるまでもないでしょう。
フェーズメーション/フェーズテック の試聴室
試聴室はオーディオ専用設計となっており、スピーカーはあのJBLの最高峰“Project EVEREST DD66000” が、お出迎えをしてくれます。
もし、同試聴室に足を運んでみたいという方は、当店宛までご連絡下さい。
さて、当店でも取扱をしている、“
HD-7A” は USB Audioとしては「96kHz/24bit」対応で、とても素晴らしいDACです。この一言に尽きます。私は、この価格帯のDACでは、本機より右にでる機種はなかなか無いのではないかというくらい好きな音色を奏でてくれます。同社は続いて、“
HD-7A192” を発表しています。
実はこの時、本機“
HD-7A192”のファームウェアの最新バージョンを聴き比べすることが出来ました。
変わっているのは、内部のプログラム(ファームウェア)のみ。
何も聞かされず、同社の井上氏に「これどうですか?」という具合に次々とソース再生をして頂きました。
明らかに異なるこの音質は何か?と聞いたら見事な回答が得られました。
簡単に言うと、プログラミングで内部バイパスを作ったとのこと。
今までのファームウェアではこの部分に手を入れておらず、最新のファームウェアではこの「バイパス」手術が施されたものがインプリメントされているようです。
「あ、これは最新ファームウェアの方が良いな」 という感じは明らかでした。
正直、こんなことをするだけ(すみません、開発の御苦労は結構あったと思いますが)で音が変わっちゃうんだ・・・ というのが正直なところでしょうか。
なにより、良い音楽を奏でてくれるというのは誰もが喜ぶことでしょう。
当然、アナログレコードの試聴も出来るようになっています。
ここでは、聞きなれた、Best Audiophile Voices のレコードが偶々あり、早速試聴です。
「あぁ、あの美声が・・・」 これはデジタル系の再生機では体感出来ないであろう、しっとりしとした女性の見事な美声です。
この、アナログオーディオを味わってしまうと、いくら手間がかかろうがアナログレコードを聴きたくなる心理はオーディオ好き、音楽好きな人なら誰もが同じなのではないでしょうか。
さて、同社がアナログパワーアンプとして製品化した最高峰モデル“
MA-1”。今まで再生されたものも結果としてこのアンプを通した出音です。
真空管世代の方には最も興味があるとは思いますが、あまり詳しくない、もしくはあまり興味の無い世代の方々からするとあまりピンと来ないかもしれませんが、“
MA-1”は 1988年製 Western Electric 社製 300B を用いています。
私もどちらかと言うと後者に傾いている方ですが、この球の主張具合はあまりお目に掛かることの少ないオーディオアンプかもしれません。
かつ、光量が半端じゃなく明るい。(こちらは、CETRON UV-845)
何かの非常灯かな?と思う方も居るのではないかというくらいに光り輝いています。
ペアで、5,000,000万円というフェーズメーション最高峰の真空管アンプです。
内部が気になる方のために、アンプの裏側も許可を得てしっかりと撮影させて頂きました。
私も電気工学を少し学んでいることもあり、この辺りは少し興味のソソるところです。
一目見て驚いたのは、その配線の綺麗さ、ハンダ付けの綺麗さ、でしょうか。
また、「部品配置が音にどう影響するか」までは定かではありませんが、何しろ内部的にも綺麗そのもの。これはマニアが見たら高い評価の出来るものなのではないでしょうか。
いっとき、海外輸入の真空管アンプの裏蓋を開けた時に、びっくりしたのはその配線の汚さ。あれ少し触れると千切れてしまいそうなハンダ付けに驚いたものです。
同社は決してそのような事はありません。Made in Japan の製品です。
さて、話題はデジタルに戻ります。
同社では、井上氏を筆頭にデジタルオーディオ市場の活性化に力を入れていますが、何より各試聴会にて下記のようなパネルを持ち込んでユーザーへ説明をしているという事を聞きました。
その名も「
CD再生を極める」です。
一見、今時CD再生ですか? と思わざるを得ないこのフレーズだか、このパネルに書かれたことが意味するところは深いのです。
今、PCオーディオに勤しんでいる皆様はこの「CDトランスポーター」という部分の意味合いを深く考えたことは有るでしょうか?
私は、「PCに付いているCDプレーヤーだから、普通のCDプレーヤーと変わらんでしょ。今はソフトウェアも充実しているし・・・」
と安易に考えたフシもありましたが、実はこの辺り、単独のCDプレーヤー(トランスポーター)を使う意味合いというのは大きいのです。再生音に大きく影響してきます。(あ、ちなみに、ファイル再生ではなく、ディスク再生の場合ですね)
トランスポーターに再生信号を出力するのに力を使わせ、そしてDAC側でクロックをあてるというのが有効であろう、という解説でもあります。
すごく言えていますね。と、井上氏からこのパネルを前に解説を貰った時に、大きく頷いてしまいました。
PCオーディオのまずいところは、何しろ「PC=パーソナルコンピューター」を使っているところです。それを言っては元も子もないのですが、通称パソコンはともかくマルチタスクを目指して設計されている為に、色々な仕事を同時にこなす機械です。これが良くも悪くも、オーディオ再生専用機に勝るわけはないというのが、現時点では一般的な考え方です。まぁ、そうですよね。いくらパソコンとはいえ、ディスプレイ信号は出していて、ネット回線にはつながっていて、ウィルス対策ソフトが見えない場所で動いていて・・・、と色々と忙しい中で音楽を再生するわけです。理論上は正当に思えるこのパソコンの世界も、実はそんなに正当ではないというのがオーディオを主軸に考えた場合の世界です。
アナログ系、デジタル系、ともにユーザーを納得させる良い製品作りを行なっている同社に、これからも学ぶことが大きいと共に、行き着くところはアナログなんだと思わせられてしまう魅力もまたこのブランドの強さなのではないかと思う。
私と同行した人物が、「デジタルがアナログに追いつくのにどれくらいかかるか?」という質問を同社の井上氏にした時に返ってきた回答は
「あと、20年くらい掛かるんじゃないの・・・」
と苦笑い。
それだけ、デジタルオーディオは過渡期という事でもあるのだろうか。
そんな同社の井上氏に今後も期待をしたい。
確かに、あるオーディオ機器を聞いた時に、「しっくりこないな」というのは、人間が体感することで言葉に表しづらいのだが、現実にそれがあるのは確かだ。私はこの正解のない世界が大好きである。オーディオは十人十色が当たり前なのである。
その体感を大切に、自分の聴感を大切に、これからもオーディオの世界を楽しんでいこうと思う。
ピュアサウンド横浜